先週、乗鞍高原のエコーラインが三本滝駐車場まで入れるようになったので、北アルプスの乗鞍岳をスキー登山してきました。


乗鞍を歩きで登る時は、いつも山スキーの人達を見ては「面白そうやなあ、下山も滑ってこれるから羨ましいなあ」って思ったものですが、今日は自分がその立場なので、なんだか嬉しくなりました。



去年は位ヶ原山荘までバスで入って登ったのですが、今回はまだ雪の残るツアーコースから剣ヶ峰を目指します。そして、剣ヶ峰と蚕玉岳との間のコルから滑走する予定でしたが、午後から天気が予想以上に悪くなったので、登頂はしたものの少々骨を折る山行となりました。



爆風の中、サッサと頂上をピストンして滑走し始めてからの事です。5m先が見えない程の視界でしたので、慎重に滑り始めたのですが、一向に思っていた場所に出合わなかったのでGPSで現在地を確認すると、頂稜を挟んだ真逆の斜面に居てることが分かりました。「まさか!」と、キツネにつままれた気分で今度はコンパスで方向を確認すると、やはり思っていた方向とは真逆を指していたのです。
一体どうしてこんなことになってしまったのか、何が何だか分からないまま、とりあえずこの場を脱するためにアイゼンで頂稜まで登り返しました。
そして、改めて地図を確認すると、どうやら滑り始めた方向は間違っていなかったのですが、コース変更して蚕玉岳を巻くように朝日岳の東斜面へ滑り込もうとしたことで、まわりが見えなかったこととスキーの速さで蚕玉岳の頂稜を跨いでしまっていたのです。それにしても、あのまま気付かずにドンドン滑り込まなくて良かったです。
他にも平衡感覚を失い地面が動くような錯覚(自分では止まっているつもりが、後ろに滑っていた)を起こし、一瞬雪崩が起きたのかと肝を冷やした時もありました。

ホワイトアウトは過去に何度か経験していますが、スキー登山の場合はスピードがあるので歩きの時以上に気を付けないといけませんね。