先日の連休はイベントが成立しなかったので、プライベートで奥秩父の岩場でクライミングをしてきました。久しぶりの外岩です。
予定では小川山入りするつもりだったのですが、天候不順を考慮して初日は甲府(岩場は、正確には甲斐)の太刀岡山に行きました。
この岩場は初めて訪れたのですが、小山ロックというエリアの「カリスマ(5.13a)」が人気ルートで、この辺りでは古くから知られるゲレンデです。
今回は移動の疲れや時間的なこともあったので、マルチピッチ入門の人気ルート、鋏岩の「左岩稜(9ピッチ、5.9)」を登りました。

最初のピッチが5.9のクラックで一番難しく、2ピッチ目と3ピッチ目、そして5ピッチ目が簡単なクラックで、最終ピッチが5.8のフェース、その他のピッチは簡単なリッジという構成でした。



グレードは易しくてもトラッドなルートで、見晴らしも良く、初日のクライミングとしては十分楽しめました。
二日目からは小川山で、この日は八幡沢周辺のスラブ状岩壁マガスラブで登りました。
まずはアップでと思い、人気ルート「水曜日のシンデレラ」の左にあるボコボコした面白そうなハング、「マガハング(5.10c)」を登りました。が、しかし、思いの外足が悪くて落ちてしまいました。今風な足技がポイントだったようです。

そして、この日の目標は小川山クラシックの「風と共に去りぬ」を登る予定だったのですが、どうも「ガマルート」を登り終えた人達がこのラインにドンドン懸垂下降してきそうだったので、「プレイバック~長いお別れ(5.11b)」を登ることにしました。
まずは、「かわいい女(5.8)」を登ってルートに取り付きます。そこから見上げる「プレイバック」は、ワイルドそうな大岩からスタートします。そして、その大岩のてっぺんからが核心部で、これまた花崗岩では珍しいトリッキーなムーブで、読みは当たっていたのですが、思い切りが悪くオンサイトを逃してしまいました。
このルートは、元々「プレイバック」と「長いお別れ」の2本から構成され、最近刊行された小川山クライミングガイドではリンクして登るようで、高度感のある核心部であのムーブはなかなかシビレる面白いルートでした。
最終日は八幡沢大滝の「クロスロード(3ピッチ、5.11a)」を登りに行きました。
「クロスロード」は小川山クラシックの「さよなら百恵ちゃんルート」2ピッチ目途中から派生するバリエーションで、小川山クライミングガイドによれば、”2011年に拓かれた当壁の最新ルートで、よりチャレンジングな内容のショートマルチピッチとして面白みが増している。”と説明があります。

1ピッチ目は5.9のハンドクラックで、上部が少し傾斜がありましたが、快適なクラックでした。

2ピッチ目はワイルドな感じのフィストクラックから始まり、上部も下から見るとなかなかに迫力のあるアンダーフレークを恐る恐る突破し、最後は大きく左にトラバースする5.10aのトラッドなラインでした。

3ピッチ目が5.11aの核心ピッチで、3本のボルト区間がいかにも花崗岩的フェースでエッジを上手く見つけるのがポイントでした。

このルートは無事ワンプッシュで登ることができ良かったです。しかし、簡単なセクションは半端ないトラッド感で、グレード的には易しい箇所でも全然侮れません。
今回のクライミングはショートマルチやトラディショナルな要素がふんだんにあり、技術面もさることながら精神的にクライミングの本質を堪能できたように思います。

そして、やっぱり夏は小川山が最高ですね!キャンプ場は涼しく快適だし、岩場は登りたいルートが無数にあって、昔からいいところです。